タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第15回 日豪プレス 11月号掲載 谷越え道の ロックフィルダム

前回の壁画の町シェフィールドからクレイドルの国立公園に向かう最大の難所は、フォースの川の谷越え道だ。氷河によって削られて形成されたこの深い谷を横切らなければクレイドルには到達できない。シェフィールドを出て15分ほど走った辺りから急勾配のジグザグ道路となり、ヘアピンカーブを数回繰り返すとやがて谷底に到達する。この川が世界遺産クレイドル国立公園の奥深い台地を水源として、北のバス海峡に向かって流れていくフォースリバーだ。
この谷底に架かる橋を渡るときに注意をして左を見ると、谷を堰き止め、高くそびえるダムが見える。高さ
110mのセサナダムだ。近くで取れる赤茶けた岩を砕いて積み上げて作ったロックフィル方式のダムである。日本でよく見るコンクリート製のアーチダムと異なり何となくやさしい感じを受けるのは、この付近で取れる自然の石を積み上げて作っているという理由からだろう。

このセサナダムは1971年に完成したが、当初はコンクリートアーチ式のダムが計画されていたらしい。実際に工事を始めてみた結果、両岸の地質が意外に脆弱なことが判明、急遽ロックフィル方式に変更された。当時は100m以上の高さを持つこの方式のダムは世界でも少なく難しいとされていて、完成した暁にはタスマニアの水力発電技術の高さを世界に示すものとなった。

実はタスマニア州では全電力の99%を水力発電でまかなっている。全州にはこのセサナのダムを筆頭に全部で約54のダムが存在しほとんどすべての電力需要をまかなっているのだ。「空気が世界一きれいなタスマニア」の背景には、まったく炭酸ガスを発生させない永続的でクリーンな方法でエネルギーが獲得されているという事実も大きく寄与しているにちがいない。

このセサナダムを見物するには、まず谷底の橋の手前から左に入って直接ダムにアクセスするルート、橋を渡った後の登り道の途中から標識で誘導されたところにあるセサナ湖展望台などがある。くれぐれも狭い橋の上で車を止めて見物することのないように。また、この谷越え道の数キロ手前にあるゴーリー・パークは、かってこの付近のダム開発を行った開発村の跡地で、入り口部分の道路際にセサナ・ダムの建設の様子を描いた長さ90メートルの巨大な壁画があり、なかなか見ごたえがある。

上の写真:左から セサナダム、ロックフィルダムの立面図、 セサナ湖展望台 (HEC提供)
下の写真:左から フォース川周辺のダム開発図、フォース川上流水源地付近のハイキングトラック、ゴーリーパークの壁画


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