タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第29回日豪プレス 2011年1月号掲載  銘木ヒューオンパインと 木造船

ヒューオンパインはマキ科の針葉樹で、世界にただひとつタスマニア南西部のレインフォレストにのみ存在している。成長が遅く、かつ長生きする植物としては世界のトップクラス。樹齢3000年まで生き延びるといわれている樹木なのだ。ゴンドワナ起源の植物のひとつで、最も古いものでは1億3千万年前の花粉の化石が発見されており、太古の植物の生き残りといってもいいだろう。

特徴として、材質が緻密で軽くかつ特殊な油分を含んでいるので腐りにくく、入植当時は木造船の材料として珍重された。今では世界遺産の国立公園となっているゴードン川の下流に位置するサラ島の監獄で、1822年から1833年までこの川の流域で伐採したヒューオンパインを使い、囚人たちが造船に従事したのがそのスタートだ。この木の特異さは世界に例が無く、この監獄が閉鎖された後も、タスマニア南西部の森林からこの貴重な木材の収穫が続けられた。

しかし、現在はこの木の伐採は全面的に禁止されている。唯一、特別のライセンスを受けたHuon Pinersと呼ばれる人々が、河岸やダム湖の湖底に沈んだ埋もれ木のみを収穫することができる。従って入手できる量は少なく、もっぱら高級な家具や木工品、緻密な彫刻アートの材料としてのみ利用されている。タスマニア各地のクラフトショップやギャラリーには、この白い木肌の緻密で薫り高いこの木の作品が数多く陳列されている。作品には必ず使用されている樹木の名前が記されているので是非手にとって見ていただきたい。

この木を材料とする木造船は少なくなった現在だが、船を造る技術は今でも残されている。この木の名前の元になったヒューオン川の下流域にあるフランクリンという町に、木造船の造船技術を伝えるWooden Boat Education Centreがある。そして州都ホバートでは2年に1回、木造船のお祭り「Australian Wooden Boat Festival」が行われる。今年2011年はその開催年で、2月11日から14日までのそのイベントに合わせて世界各地から木造船や帆船たちが集まってくる。期間中は、これら集合したTall Shipのパレードがダーウエント河口で行われるとともに、港周辺では大型小型の木造船を使った各種のイベントが開催され、ミニチュアのモデルシップや食べ物のショップも出店して大いに賑わう。今年は、入場料が無料となるとあって、より多くの人々を集めて盛り上がることでありましょう。

上の写真:左から ヒューオンパインの茂るゴードンリバーの様子とヒューオンパイン
下の写真:左から フェスティバルのポスターと参加した大型帆船、ヒューオンパインで造ったモデルシップ


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