タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第35回日豪プレス 2011年7月号掲載  北岸の国立公園 ロッキーケープ

バス海峡に面した北岸のタスマニアは、暖かく日差しのやや強い場所といったイメージがある。北半球の同緯度の北海道でいえば、道南の襟裳や日高といった場所の感じであろうか。今回のテーマ、ロッキーケープ国立公園は、この北岸に沿って東西に伸びている面積3000Haの小さな国立公園だ。西にナット、東にテーブルケープ、これら2つの特異な地形に挟まれてある丘陵地帯だ。ここは人気スポットのクレイドルやフレシネと比較すれば、目立たず訪れる人も少ない場所だが、他にはないいくつかの特徴があって捨てがたい魅力がある。
まずは、地質だ。 タスマニアで最も古い、先カンブリアン期(10億年以上前)のものといわれる珪岩(Quartzite)が至る所でむき出しになった地形が存在する。国立公園の西側の入り口から入って灯台のある突き出た岬の先端に立ってみてほしい。バス海峡の雄大な広がりとともにこの古い珪岩が波で浸食された断崖が眼下にある。又は、東側の入り口シスターズビーチから入り、50分ほど歩いてアニバーサリービーチまで出かけてみてほしい。このビーチの長く続く砂浜の至る所には風化したシルト岩(珪岩と同様にタスマニアの最も古い時代の岩石)がむき出しになってあり、沖合いにはThe Five Sentries5人の見張り番)と名づけられた岩礁群が見える。終点のアニバーサリーポイントまで20分程度のウオークを歩くと無人のビーチで他にはない岩の風景が楽しめる。
次はアボリジニの歴史。この地域は数千年の昔からアボリジニたちの生活の場で、今でも存在するいくつかの洞窟周辺には貝塚があり、この地域で8000年以上の長きに渡って彼らが生活をしていたことがわかる。岬の灯台の近くにある洞窟の最大のものは付近に解説のある展望デッキがあるが、ここも聖地になっていて中に入ることはできない。
最後の特徴はここの植生である。この国立公園の中央を東西に走っているのがシスターズヒル。
このヒルに沿って、海岸線独特のヒースランドが存在し、春には数多くのワイルドフラワーが咲きほこる。この限られた場所だけでも約40種のランがあるといわれる。 バンクシャーはオーストラリアの代表的な植物だが、このロッキーケープにはSaw Leaf Banksiaという葉っぱの縁がノコギリのような潅木がある。シスターズビーチからアニバーサリービーチに向かう途中のバンクシャーグローブを歩けば、山火事の後でいっせいに成長をはじめたこの木の群落が楽しめる。

上の写真:左から ロッキーケープ付近と洞窟の展望デッキ
下の写真:左からアニバーサリービーチとソウリーフバンクシャー


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