タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第40回日豪プレス 2011年12月号掲載  「年取り魚」は タスマニアの鮭で

年末年始のご馳走として、今年はシーフードの人気食材、タスマニアサーモンについて取り上げてみよう。日本からはじめてやってきた人の中にはタスマニアサーモンといえば、冷たい南氷洋の自然の海で漁獲されたものだと思っている人もいる。意外に知られていないことだが、南半球のこのあたりには北洋の海と異なり野生の鮭は生息していないらしい。 従って、このタスマニアで生産されている鮭はすべてが養殖で元はヨーロッパから移入されたアトランティックサーモンなのである。

タスマニアの清らかな川の上流で人工孵化によって生まれた稚魚たちは、生後1年から1年半を淡水で暮らし、約15cm ぐらいのスモルトと呼ばれるサイズまで成長する。その後初めて海水のところに移され、直径が100m以上もある巨大な生簀の中で生活を始める。タスマニア南部ではダーウエントやヒューオン川の下流域に多くの養殖エリアがある。やはり海水でないと一定以上の大きな魚体には育たないのである。飼料はタスマニア近海で獲れるアジの仲間が主体。稚魚から1年半から2年の後で34kgに育ったらいよいよ収穫だ。低温かつクリーンな環境で育った鮭には寄生虫がいない。日本では古来生の鮭は非常識だが、養殖が一般的になった現代では、刺身やお寿司での食べ方も当たり前になってきた。しかし、われわれ日本人とっては何といっても甘塩で漬けた塩鮭が最高の食べ方だろう。 まあご飯のおかずとして箸が進むということであるが。濃い塩水に浸した切り身を冷凍庫で保存しておくだけでいつでも美味しい塩焼きが食べられる。

ところで、ホバートの港のあるダーウエントリバーを上流に50kmほど遡った所にサーモンポンドという場所がある。大きなマスの親魚が池の中で泳ぎまわっている緑の多い公園で、もっぱらマスの孵化場として知られている場所だ。このマスの孵化場がサーモンポンドの名前で呼ばれているのには面白い理由がある。北半球では、鮭の稚魚は海で育った後生まれた川に帰ってくるというのが常識なのだが、ここ南半球ではどうもそうではなかったらしい。
19世紀の終わりごろ、初めて鮭の受精卵が英国から輸入されて稚魚が誕生した。当時の人たちはこのタスマニアでも鮭の放流事業を成功させようとこの場所からダーウエントの川に放流の実験を行ったのだが、数回のトライアルの結果、南半球では放流された川に産卵のために戻ってくることはないということがわかりこの事業は挫折した。その後、マスの孵化場として生まれ変わり現在その名前だけが残っている。
さて、今年のお正月ももうまもなく。今年は豪勢に尾頭付きを1本かって鮭尽くしといきましょう。

上の写真:左から 養殖場の生簀と収穫後のサーモン
下の写真:左から アトランティックサーモンとその料理、サーモンポンドの風景


このページのトップに戻る

 
タスマニア再発見スタート:      バックナンバーのページに戻ります


このコーナーへのご意見・お問い合わせは tasinfo@ajpr.com.au までどうぞ。



AJPR
会社概要
よくある質問
人材募集
メインページ

タスマニア情報
タスマニアについて
気候について
タスマニアの植物
お勧めレストラン

ご予約とご相談
計画を立てる前に
モデルプラン
ご予約の手順
現地参加の一般ツアー
現地のハイキングツアー
宿泊施設のご案内
レンタカー ガイド
フェリーのご予約
ワイン通販
プランフォーム