タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第54回日豪プレス 2013年2月号掲載 赤い海? バザーストハーバー

 日本のテレビ番組で何回か紹介されて、タスマニアの「赤い海」というのがすっかり有名になってしまいました。 赤い海といっても正確には紅茶色といったほうが正しいかもしれません。こういった赤い海や赤い川はタスマニアの西部や南西部でよく見られます。一般の観光で訪問しやすいのはストローンのマクワリ湾やゴードンリバーなどですが、このテレビで有名になったのはサウスウエスト国立公園のど真ん中にあるバザースト湾のことです。
サウスウエストは名前の通り南西部に位置するタスマニアで最大の国立公園(面積62Ha)で、ほとんどは人跡未踏に近い。 バザースト湾はこの国立公園のさらに南西の端にあり、Port Daveyの入り江から更に奥まった内海として存在しています。 ここに至る自動車道路はありません。訪問するにはタスマニア最南端のCockle Creekから南側の海岸線に沿って設けられたサウスコーストトラックを一週間かけて歩いていくか、原野に設けられた滑走路にセスナのフライトで飛んでいくしかありません。もちろんホバートの港から一昼夜をかけて船で行くこともできないわけではありませんが、湾内はきわめてデリケートな生態系が存在する為航行にはいろいろな制約が設けられています。
この赤い色の要因はタスマニア西部で湿原を形成しているボタングラスという植物です。低温の酸性土壌という条件下でピート層から生まれた植物性のタンニンが雨水に溶けて赤い水になって湾内に流れ込んでいます。晴れた無風の日に訪問すると、タンニンの鏡効果によって周辺の木々や空の青が水面に映って素晴らしい風景を現出します。

しかし、本当のこの湾のユニークさは水面下にあります。この湾の出口はせまい水路で外海とつながっている為に、タンニンの溶けた赤い淡水層が下部の透明の塩水層の上を覆うという2層構造になっているのです。表面の4メートル程度の紅茶色の淡水層が光を遮っているために、特異な生物たちが生息をしているのです。ムチヤギと呼ばれる深海サンゴの一種や深海性のサメの仲間など通常は深海にしか存在していない生物群が多数存在しています。このため、湾内や水路の特にデリケートな部分では、船の碇の投入やエンジンを使うことが禁じられている他、船に付着して入ってくる有害生物にも神経を使っています。
世界でもきわめて稀少な生態系のバザースト湾は世界遺産の国立公園の一角、
Port Davey Marine Reserve として保護されています。

上の写真:バザースト湾の晴れた一日。照り返しの風景。
下の写真:左から、湾内クルーズのボートの軌跡、途中のフェデレーションピーク、メラルーカの飛行場


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