タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第64回日豪プレス 2013年12月号掲載 世界最古の植物 キングスロマティア

前回の生きている化石に続き、今回は現存する世界最古の植物の話。何と43600年前から同じ遺伝子で生き続けている植物というのだからすごい。名前は、キングス・ロマティア(Kings Lomatia),学名;Lomatia tasmanica。もちろん、世界でタスマニアにのみ生育、しかもタスマニアでも南西部の国立公園のひとつの限られたエリアのみにしか生き残っていないという稀少種、かつ絶滅危惧種なのである。

この植物は、タスマニア南西部の開発のため奥地メラルーカに移り住んだ採鉱師で自然主義者のデニーキングによって、1937年に初めて発見された。1960年、デニーが初めてこの植物の標本をホバートの標本館に持ち込んでから一躍注目される事になった。その一般名に発見者のキングの名前がつけられた所以である。

何ゆえにこの植物が重要なのか?最も大きな特徴は3倍体の遺伝子を持っていることで、そのため花が咲いても実を付ける事ができない。一般の植物は2倍体で、減数分裂をして子供を作っていくのだが、このキングスロマティは種を作る事ができないために何万年もの間、同じ遺伝子で生き残ってきたというわけである。もちろん、同じ固体が何万年も生き残る事はできないのだが、地に落ちた古い枝から再び新しい枝が成長をはじめるという栄養繁殖の方法で子孫を残し生き残ってきたのだ。現在、世界で唯一タスマニア南西部の限られたエリアに500株程度が存在しているらしいが、これらの遺伝子は全く同一なのである。

さらに、周辺から同じ葉や茎の形をした化石が発見されており、放射性炭素法によってこの化石の年代は43600年を経たものであることが判明している。この化石の植物の遺伝子とこの生きているキングロマティアの遺伝子が同じものである事が証明されれば、まさにこの植物が世界最古の植物という事になる。

もし現在生育している唯一のエリアが、山火事で消失したり、あるいは病気によって枯れてしまったりということが発生すれば、地球上からこの最古の植物が永久に消失してしまう。このエリアは現在世界遺産の原生地域の中に存在するのだが、自然の脅威によっても消失の危険は存在する。ホバートの植物園に何株かが移されて、保存と増殖を試みていると聞いている。
公開の機会があれば、この貴重な植物をぜひご覧いただきたい。

上の写真:左から デニーキング、キングスロマティア(国立公園局提供)、メラルーカ付近の草原
下の写真:サウスウエスト国立公園内メラルーカ付近の風景


このページのトップに戻る

 
タスマニア再発見スタート:      バックナンバーのページに戻ります


このコーナーへのご意見・お問い合わせは tasinfo@ajpr.com.au までどうぞ。



AJPR
会社概要
よくある質問
人材募集
メインページ

タスマニア情報
タスマニアについて
気候について
タスマニアの植物
お勧めレストラン

ご予約とご相談
計画を立てる前に
モデルプラン
ご予約の手順
現地参加の一般ツアー
現地のハイキングツアー
宿泊施設のご案内
レンタカー ガイド
フェリーのご予約
ワイン通販
プランフォーム