タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第71回日豪プレス 2014年7月号掲載 グリム岬(その1)地球大気の観測所

1798年12月7日、英国の海洋探検家マシューフリンダースの乗る小型帆船ノーフォーク号は海峡の西の端に到達し、その岬の先に海洋が広がり、南西の風にのって巨大なうねりが吹き寄せて来るのに出会った。フリンダースは、タスマニアがバス海峡を挟んでオーストラリア大陸と分断された島であることを初めて確認し、この北西の端にある岬をグリム岬と命名した。
ここは州都ホバートから北西に500km近く離れた遠隔の地で、常時強い西風が吹き渡る特異な場所である。

現在、この岬には連邦政府主管の気象庁が運営する測候所が設けられている。その名は、Cape Grim Baseline Air Pollution Station、地球の基準となる空気を観測する施設で、同様のものが国連の主導の下に世界の25箇所のポイントに設けられている。
この測候所の役割は、地球上の空気の基準になる構成数値を測定し、その構成がどのように変化しているのかをモニタリングすることである。オーストラリアでの唯一の場所として、このグリム岬が選ばれた理由は明確だ。偏西風が吹き渡るこの岬の西側には人間の住む陸地が2万キロ先まで存在しない。すなわちアフリカ大陸より、もっと先の南アメリカ大陸の先端部まで、人間の生活していない、汚染の要因のない2万キロの大海原が続いている。タスマニアの空気が、人間の活動によって発生する2酸化炭素、その他の人工的な物質やゴミホコリが地球上でもっとも少ない清浄な空気であるといわれる所以である。測候所では、高い鉄塔に取り付けられた収集口を通じて、南西からの風が吹いてきている時のみ空気を採集している。

このグリム岬に隣接した草原地帯には、この強い西風を利用する風力発電の施設もある。 

高さ60m、羽の直径66mという大型の風力発電タービンが、広大な草原の中に62基も設置される大規模なものだ。巨大な風車の群れが西風に対し同じ方向を向いてうなりをあげて回転している様子は、迫力満点。この一帯の施設でタスマニアで使用する電気のほぼ5%が賄われるというからすごい。

このグリム岬のエリアは、ウールノースという大きな民間の牧場地の中にあるため、個人が直接訪問することは出来ない。この風力発電設備とともにグリム岬の先端部を訪問するツアーがあって、これに参加すれば両者を見学することが出来る。

次回はこのウールノースという歴史的な牧場と周辺で生産されるグルメビーフについて紹介しましょう。

上の写真:左から グリム岬周辺  中央の写真に見える鉄塔が測候所
下の写真:左から 空気収集の鉄塔、世界の25箇所の測候所を表示した看板、風力発電の風車


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