タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第72回日豪プレス 2014年8月号掲載 グリム岬(その2) ウールノース

タスマニアの北西端の町スミストンから215号線の一本道を西に約25km走ったところに、「Van Diemen’s Land Co. Woolnorth」と書かれた古い木の大きな看板がある。設立当時の古びた牧舎のあるグリム岬まではさらにここから同じぐらいの距離を走らなければならない。途中は人家もなくただ一筋の牧場の中の道をひたすら走るのみ。すなわち、ウールノースの牧場はさほどに大きな面積を占める場所なのだ。

実は、この牧場を所有するヴァンディーメンズランド社はタスマニアで最も古い歴史を有する由緒ある会社である。由緒あるという意味は、入植直後の1825年、タスマニアがタスマニアになるずっと以前、英国の羊毛事業開拓者11名によって設立された会社に対して35万ヘクタールの広大な土地が王室から直接に付与されてできたものであるという理由による。時の英国の王、ジョージ4世が署名した羊皮紙で作成された証書は、現在ホバートの国立文書局の特別室に保管されて、その骨董的価値は100万ドル以上といわれているらしい。 今では、NZ資本の会社によって所有されているが、設立後200年近い歴史を持って今なお活動している会社というわけなのだ。

この地域は南西の風に乗ってやってくる豊かな雨に恵まれて年間を通じて牧草の豊かな地域である。羊毛に代わって、この豊かな牧草を利用する酪農が現在のこの牧場の中心の仕事だ。飼育されている乳牛が何と1万9千頭、それらから牛乳を搾る搾乳施設が13箇所、更新用に育成されている若雌牛が常時1万頭と、そのスケールは尋常ではない。世界一クリーンな雨水で育った牧草を食べて生産された牛乳は、様々な乳製品に加工されて世界中に輸出されている。

最後に、DFTDという伝染性のガンの流行によって絶滅の危機に瀕しているタスマニアデビルの話に触れておこう。タスマニア全域にその脅威を広げているDFTDだが、北西端のこの遠隔地だけはその病気の侵入から免れている。つまりこの広大なウールノースの牧場敷地内には、健全なデビルたちのみがまだ多数生息しているというわけだ。現在、VDL社とタスマニア州国立公園局が一緒になって、このエリアとの境界にフェンスを設けたり、定期的に捕獲して調査するなどのデビル保護活動を行っている。夜間、このウールノースにつながる一本道をドライブする場合は、道路に出てくるデビルを車で轢いてしまわないよう十分気をつけてほしい。

上の写真:  ウールノース牧場に向かう途中にある古い看板(ウールノース提供)
下の写真:左から グリム岬近くにあるディレクターハウス、羊毛時代の毛刈小屋、スタンレーにある旧本社跡


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