タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第73回日豪プレス 2014年9月号掲載 グリム岬(その3) 和牛の島

旅行の楽しみのひとつは食べ物である。グルメの島タスマニアには魚介類、乳製品、野菜など美味しい素材が多数あるが、牛肉もそのひとつ。ホバート・ロンセストンの人気レストランのステーキメニューをご覧いただくと、ケープグリム産の表示が多数見つかる。通常でも品質の高いタスマニアビーフの中でも別格のグレードを訴求するブランドとしてこのところ評価を高めているのだ。オーストラリアの牛肉は、日本や米国のものと異なり牧草で育っているというところに大きな特徴がある。いわば反芻動物本来の餌である草で育ったナチュラルな牛肉というわけだ。ケープグリムビーフは、この地域のいくつかの牧場主が集まり、牧草の品質や出荷の体重を吟味し、ホルモン剤や抗生物質を使用しない安全性を高めた製品としてブランドを確立したもの。世界で最もきれいな空気と水で育った牧草をふんだんに食べた牛肉をタスマニアではぜひ味わってほしいものです。
ところで、グリム岬の少し手前の海岸線の北側にロビンス島という島がある。海岸線から浅い水路を挟んだだけの所だが、面積約1000haとかなり大きい。面白いのはここが和牛の島として知られていること。和牛とは日本で造られた牛の種類で本来門外不出のはずだが、米国にむけて輸出された数頭の和牛をきっかけにして、オーストラリアにもこの品種が導入されることになった。生体のみならず、凍結精液や受精卵移植などの技術が発達したことにもよりこのところ豪州での和牛の頭数が増えているのだ。和牛の特徴は本来は脂肪交雑の能力の高さにあってすき焼きには不可欠の材料なのだが、当地ではむしろ繊維がやわらかく肉汁に富んでいる点や脂肪に不飽和脂肪酸の割合が高いことなどが評価されて、最近は豪州のハイクラスのレストランの差別化メニューとして取り上げられるようになった。

ロビンス島は豪州の中でも早い時期に和牛を導入した牧場として有名な場所なのである。
この島の歴史は古く、もともと前回のヴァンディーメンズ社の牧場に含まれていたものだが、20世紀の始めに個人の手に移り、現在はハモンドファミリーが運営を行う完全に個人の敷地だ。観光目的で訪問するのはなかなか難しいけれども、この牧場の売り物は牛群の海渡り。馬に乗った博労たちが牛の群れを追って、潮が引いて水位の下がったロビンス水路を渡っていく。誰にも邪魔されない島内東側の静かな牧草地で、タスマニアの和牛がすくすくと育っていくのだ。

上の写真: 牛の海わたり(ハモンド和牛 提供)中央はグリム岬付近
下の写真:左から ウールノースでの放牧風景、黒牛の様子とステーキの炭焼きシーン


このページのトップに戻る

 
タスマニア再発見スタート:      バックナンバーのページに戻ります


このコーナーへのご意見・お問い合わせは tasinfo@ajpr.com.au までどうぞ。



AJPR
会社概要
よくある質問
人材募集
メインページ

タスマニア情報
タスマニアについて
気候について
タスマニアの植物
お勧めレストラン

ご予約とご相談
計画を立てる前に
モデルプラン
ご予約の手順
現地参加の一般ツアー
現地のハイキングツアー
宿泊施設のご案内
レンタカー ガイド
フェリーのご予約
プランフォーム