タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第75回日豪プレス 2014年11月号掲載 水力発電村 タラリア

2014年10月、タスマニアの州の事業としての水力発電の歴史は100周年を迎えた。1914年の10月に州政府は民間の会社を買収して水力発電を州の事業として行うことを決定し以降、州の各地でダムや運河、発電所の建設が推進されて、現在の消費電力の大半を水力でまかなっていく体制が出来上がったのだ。この事業推進の初期段階には数多い苦労があった。中でも1930年代は、世界的な不況に苦しんだ時期で、資金や建設資材の調達面で大きな苦労があった。タラリア(Tarraleah)は、州都ホバートの電力不足に対処するため、この厳しい時期にダーウエント上流の大規模な開発を担うために開設された発電の村であった。

タラリアは、ホバートから西に車で2時間、州を横断するA10のハイウエイをかなり登って行った先にある。標高は630mで、中部山岳地域の一角。30年代の初頭、このあたりは山の奥深く、人間の生活できる場所ではなく、初期に移り住んだ人々はテント暮らしで、外界と隔絶された暮らしを余儀なくされた。工事の拡大とともに、各種の住宅、学校、病院、教会、郵便局など生活のための施設が造られ、人口を数千人を超えるまでになった。戦後の不況ということもあり、一時は世界の31カ国の異なった国柄の人たちが働いていたこともあったという。60年以上にわたって、発電の基地として存在したこの村も、ダム工事の終焉とともに人々はこの地を離れ、一時はわずかに4家族しか住んでいない村になってしまった。

しかし現在、この村はタラリアエステートとして、ユニークな観光施設に変わった。かつて、水力発電公社の技術者や役員の宿泊施設として建てられたアールデコのメインの建物は、「Lodge」として特別なお客様を迎える施設に、職員宿舎は「Cottage」として家族向けの宿泊キャビンに、そして学校の大きな建物はグループ向けのモダンな宿泊棟に改築された。構内の高台からは、巨大な送水管が山の斜面を下り、麓の発電所まで続いていくこの村ならではの展望が楽しめる。周辺には、フライフィッシングの楽しめる湖が多数。森歩きやカヌーなどはもちろん、夜間には間近に野生動物の観察ができる。ユニークなのは山岳高地のゴルフ場。この発電事業に従事する人の厚生用に造られたものだが、山中のドライブの途中で突然出現するこの原生的なゴルフコースには誰もがびっくりする。

上の写真: 左から 送水管のある入り口付近、Lodge、Cottage
下の写真:左から 構内全景、展望台、教会の跡  写真のいくつかは Tarraleah Estate 提供


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