タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社代表の千々岩 健一郎が同紙に連載する新しいコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第8回 日豪プレス 4月号掲載 クレイドルは黄葉の季節

オーストラリアにある落葉樹のほとんどは外来植物であり、タスマニアにある「ファガス」が唯一の例外であることを皆さんご存知でしょうか ?  俗に南極ブナと呼ばれるこの植物は、ゴンドワナ起源の植物群の代表的存在で、この植物によって大陸移動説が考えられたとも言われています。南極ブナは常緑と落葉に分かれますが、常緑タイプが豪州の湿った森の随所で見られるのに対し、落葉タイプのファガスはタスマニア西側の標高の高い、限られた地域にしか生き残っていません。4月から5月の初めにかけて黄葉し、豪州の自然の山では珍しい秋の風景を演出してくれます。

この黄葉を観察するのに適した場所の1つがクレイドル・マウンテン国立公園です。クレイドルで最も人気のあるダブ湖周遊サーキットでもファガスを観察できますが、私のお薦めはクレーター湖の周辺ルートです。有名なオーバーランド・トラックの出発点として知られるロニー・クリークからスタートして、標高1223メートルのマリオン展望台に至る距離約4キロ、標高差320メートルのコースです。歩き始めはボタングラス草原のボード・ウォーク。20分ほど歩くと森に入り、そこで小さな滝に出会います。クレーター湖から流れ出たクレーター・フォールです。黄色く色付いたファガスはこの滝の周辺から登場します。周りの樹木はすべて常緑樹ですからすぐに違いが分かります。滝のしぶきが降りかかる森の中で、木漏れ日に輝く印象的な黄色がすぐ目に入ることでしょう。標高の高いクレーター湖の湖畔に達すると、この植物が湖を囲む岩山の斜面一面に張り付くように広がっているのが分かります。

クレーターとは火口のことですが、クレーター湖は火口湖ではなく氷河湖です。周囲を氷河が削り取った岩盤で囲まれていて、その形がまるで火口の跡のように見えることからこんな名前が付けられたのでしょう。この先マリオン展望台に至る部分はオーバーランド・トラック中、最も急峻な登りのある難所です。この急坂の途中で小休止を取って後ろを見れば、今まで歩いてきたトラックとともにタンニンで黒く沈んだ色の湖面が眼下に広がります。同時にゴンドワナの時代から長い時間を生き抜いてきたファガスの潅木群が、強風と寒さに耐えて湖周辺の斜面で生き抜いている様子が観察できます。ここからマリオン展望台の頂上はもう間近。晴れていれば、クレイドル山頂からリトルホーンに至る特異な岩峰の連なりが間近に展望できます。

上の写真:ファガス3態
下の写真:クレーター湖とマリオン展望台からの展望

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