タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第81回日豪プレス 2015年5月号掲載 巨大シダ マンファーン

タスマニアのレインフォレストや湿った深い渓谷を歩くと巨大な木生シダに出くわす。場所によっては鬱蒼としたシダの森を形成して、まるで恐竜時代に引き戻されたような錯覚を覚える。これは、俗にマンファーン、学名がDicksonia antarctica, つまり南極という名前の付けられたシダで、高さが何と10m以上に達するものがある。

シダ植物は本来は草本類なので樹木のように幹が成長するということはない。しかし、この木生シダは数メートル以上に成長して、まるで大きな木のように見える。実際は幹が肥大成長をして木質部を形成しているのではなく、茎のまわりから出たたくさんの根が絡み合って柱を作っているのである。日本では、こういった木生シダをヘゴとよび、この根の絡み合った幹を切り取ったものをヘゴ板と呼んで園芸の道具に利用したりする。

話が飛んでしまったが、このマンファーンは湿った場所であればタスマニアのほぼ全域で見られる。写真のように高く伸びた幹の先から傘をさすように葉っぱをつけた茎が広がる。先端部分から新しいぜんまいのような若芽がでて新しい葉を広げる。一方で、古く枯れた枝はその新しい葉っぱの周りから枯れて垂れ下がる。新しい葉っぱの隋の部分にはでんぷん質が含まれて古い時代はアボリジニの食糧にも利用されたらしい。ポッサムなどの動物達もこの若い茎を食べるようで、幹の周りに枯れて垂れ下がっている古い茎は、ポッサムが幹を登りにくくして食べられることを防ぐためであるとの説もある。もうひとつ、葉っぱの部分にも大きな特徴がある。葉っぱの形を拡大してよく見ると複葉の構造が3重になっている、つまり複々々葉の網目構造となっていて、これは専門的にはとてもユニークなものらしい。

このマンファーン、日本には存在しないがタスマニア固有というわけではなく、豪州の南東部に広く存在し、かつ似た種類がNZにもある。少し古い話だが、映画ラストサムライの森の中での戦闘シーンに日本では考えられないこのシダが登場してびっくりしたものだ。つまりあの映画の自然豊かな戦場のシーンは日本国内ではなくNZで撮影されたものというのがばればれになったというわけだ。

この木生シダ・マンファーンが鬱蒼と茂るシダの森を体験するのにお勧めの場所のひとつはマウントフィールド国立公園。入り口のビジターセンターからスタートするラッセル滝への散策路には素晴らしいシダの森がある。ホバートから一時間程度の場所で恐竜時代の森を体験することが出来る。

上の写真:マウントフィールド国立公園でのマンファーンの様子三態 
下の写真:複々々葉の葉っぱの様子


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